”画面の質感づくり”の大切さ
映像をつくる上で、”雰囲気”というのは馬鹿にできない要素の1つです。というよりも、その”雰囲気”ありきで、どのような映像ができていくかが決まってしまいます。
個人的には、はじめに「画面の質感」や「配色」を決定しておいて、そこから映像をつくっていくことがオススメです。こうすれば、最終的にどのような映像が完成するかが、しっかりと決まります。
……しかし、この質感づくりが下手くそだと、完成する映像は貧相なものになってしまいます。自主制作を行う上で、自分好みの世界観をつくりだすために、AviUtl上で使える初歩的な質感づくりのテクニックをお教えしたいと思います。
適当な画像を用意しました
5分ほどで作った画像です。これだと、少し画面がのっぺりとして見えますね。
ここにいろんなエフェクトを掛けていきましょう。
周辺ボケ光量
周辺ボケ光量は、中心を明るくはっきりと、周辺を暗くボヤケた……といった表現が可能なエフェクトです。「メディアオブジェクトの追加」→「カスタムオブジェクト」→「周辺ボケ光量」から選択できます。
カスタムオブジェクトを追加したら、画像の下のレイヤーにコイツを配置します。そして、”光量”を以下のように設定。
すると、こんな画像が完成します
どうですか? 少しメリハリができましたね。
この「周辺ボケ光量」はかなり万能。どんな配色にも構図にもマッチする、素晴らしいエフェクトだと思っています。
粒状化
さらに、エフェクトを重ねていきましょう。
使用するのは、ティムさんの「色調調整セットver6」の「粒状化」です
このスクリプトは、画面をザラザラにすることができるアニメーション効果です。
この粒状化をフレームバッファに少しだけ掛けます。フレームバッファは、合成モードを「オーバーレイ」に設定。
ちなみに、粒状化の「処理法」は2番が最適だと思います。
周辺ボケ光量と組み合わせると……
少し周りがザラザラとしているのがわかりますか?
ちょっと地味ですが、これだけでかなり質感がよくなります。
粒状化不使用
粒状化使用
VHS風
次はNureさんのVHS風を活用してみます。このエフェクトは、画面がカラフルな方が分かりやすいので、この空の画像を使います。
このアニメーション効果は、色調調整、シャープ、色ズレ、ノイズなどをまとめて掛けられます。その名の通り、VHSテープのような画面の質感を表現することができます。
適当に掛けただけで、こんなにも深みが増します。ノイズもいい味出してますね。
フリー素材を使う
最後は、エフェクトではなくネット上に落ちているフリー素材を使います。
YouTubeなどで「〇〇 footage」などと検索すると、たくさん出てきます。著作権がフリーの素材を選ぶようにしてくださいね。
例1:Lightleak
Lightleak系の素材は、その名の通り「光が差し込む」という表現が可能です。合成モードを「加算」にして使用します。
例2:Smoke
Smokeは、煙の映像です。通常は加算で使用します。
が、合成モード「乗算」を使用すればこんな表現も可能です。
例3:VHS
VHSは、昔ながらのテレビやビデオの表現をすることのできる素材です。
組み合わせてみる
VHS風とVHSのフリー素材を組み合わせてみます。
加算と乗算の2パターンを試してみましたが、どちらもいい感じですね。
映像として出力すると、一瞬だけ画面が乱れるので、本当のノイズのようでかっこよく見えます。
さいごに
いかがでしたでしょうか。今回紹介した方法以外にも、画面にエフェクトを掛ける方法は沢山あります。
自分の好みにあった方法を探してみるのも、樂しいと思いますので、ぜひ「雰囲気作り」にもチャレンジしてみてください。